始めに
「爪痕」をテーマにする俳句集です。随時更新します。
コンテンツ
・淡雪を 踏めば誰かを 忘れけり
・風光る 淀に閃く 鎬筋
・焚き付けの 棺に奢り 吠える薔薇
・指切りの 微熱に転(こ)かす 鎌鼬
・蒼い眼の 乾いた海に 兎狩り
・鐘凍る 波紋に疼く 旧い傷
・庭潦(にわたずみ) 天狼星の 潜む檻
・浅茅生の 宿りに生える 稚児の夢
・熱燗に 濁るカロンの 白日夢
・誰そ彼(たそかれ)に 狐火迷う 家路かな
・日輪や 千々に乱れて 舞いそむる
・陽炎に 輪廻の奔る 六の道
・夢路にて 桔梗の墓で かくれんぼ
・溝泥に 零れ桜の 肉鯘(あざ)る
・翅(はね)焦がし らむぷの果物(かぶつ) 喰む浮塵子



コメント