解説
ハスター
ハスターは神の名前であり、旧支配者と呼ばれる存在の一員である。ハスターの異名として、「名状しがたいもの」「名づけざられるもの)」「星間宇宙の帝王」「邪悪の皇太子」などがある。

ヨグ=ソトースを父にもつ邪神たちの一体とされる。四大霊「水」の邪神クトゥルフとは半兄弟とされるが、ハスターとクトゥルフは対立する。
そしてこのハスタ―を支配するのがハムスターなのだ。
ハムスターとハスター
ハ厶スターは「囁きの齧歯(しそ)」「無貌の走車」「ハスターを統べるもの」とも呼ばれる。
一見すれば可愛らしい小さなハムスターだが、頬袋は底知れぬ虚空に通じている。ケージの回し車を無心に走る姿は、次元の裂け目を回転させ、見えざる星々をも呼び込む儀式そのもの。
実のところ走車に乗る小さき齧歯は、その仮初の姿にすぎない。ハスターを支配し、夢と狂気の彼方に君臨するのはハムスターそのものである。
ハムスターは人の夢にもたびたび現れ、ひたすらに走車(回し車)を回す幻影を見せる。それを見続けた者は「走らねばならぬ」という強迫観念に囚われ、理性を失っていくという。
我々がケージで見かける、愛らしい姿のハムスター。それは無数に分かたれたハスターの王の一端にすぎない。頬袋は「黄衣の虚空」へと繋がり、そこに収納された種子や木屑は、時として星々の命脈と響き合う。ハスターは「王」として人々に恐れられるが、その王座を握るのはハムスターである。
ハムスターは無邪気に走車を回すだけで、ハスターの力を自在に導き、封じ、あるいは解き放つ。つまりハスターはただの傀儡であり、真の支配者はハムスターなのだ。
信仰
一部の民俗宗教は「ハスターに至るには齧歯を愛でよ」と信じ、地下で小さなケージを祭壇に見立て祈りを捧げる。
古代の黄衣信仰では、祭壇に小さな回し車を置き、そこに「ハスターの化身(ハムスター)」を宿すことで、神そのものを支配できると信じられていた。
カルコサの黄衣の王も、実は一匹のハムスターの頬袋に収納された化身のひとつにすぎない。



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